サッカーについて考える2

むしろ、アンチW杯の人たちはそれだけで盛り上がれるんだからむしろ幸せとすら言える。
たとえば私が「カブトムシはゴキブリから進化した」と考えていたとして、
そんな考えにだれが共感してくれようか?
絶対の孤独である。


それに似たようなことは、過去何度もあった。
他の人のことは知らん。


そんな中、ひとつだけ。
「勝てる、勝てる」ってアナウンサーは勝てる要素を探しすぎだと思った。
もちろんネガティヴなことを言われたら盛り上がらないが、
これはテレビ全体の特徴かもなー。


以前ビックリしたのは、湾岸戦争のときに関口宏の番組で「どういうことが起こったらアメリカとイラクの間で長期戦になるか」って検証してて、
3回くらいの局面でイラクが勝たないと泥沼戦争にはならないという予想が出たんだけど、
テレビでは逆に「ここでイラクが勝ったら……そしてまたここでイラクが勝ったら……」とかってシミュレーションしてんの。
そしたらコメンテーターのケント・ギルバートが怒って、
「あんたらどっちの味方なんだ!」って言っていたけど、
それはまあケントの立場からしたら当然だよな。


何が言いたいかというと、「接戦のうちに勝つ」展開がサッカーに限らずテレビ的にはいちばんおいしいわけで、
なんかそういうのがイヤだな、と思った。


ところで、最後に脱線したまま終わるけど、
湾岸戦争時に「なぜ泥沼化してほしかったか」というと、
番組つくっている人が意識していたかしていなかったかわからんけど、
そりゃアメリカに対する漠然とした憎悪、憎悪とまでいかなくても漠然たるイライラ感が出た、ということなんだよね。
それはいわゆる911のときの、日本の一般庶民の感覚もまるで変わっていなかった。


一方で、湾岸戦争からかなり経ってからつくられたマイケル・ムーアの「華氏911」は、日本人のブッシュ観を劇的に変えるほど、ものすっごく盛り上がることはなかったわけで(多少は盛り上がったけど)、
これは早い話がアメリカに金玉を握られているって、一般庶民はわかってるからなんだろうね。


哀しい世の中でございます。
サッカーでも見て、ウサをはらすしかないかもな。