ポップスの歌唱法から考えよ、あるいは「歌のうまいやつ」っていったいだれだ?

「モー娘。」ファンの必見記事「はなさんのポリログ」


activeエレンさん経由で知った記事。
この「『モー娘。』ファンの必見記事」というエントリ、いったい何が言いたいのかよくわからなかったのだが、
その後の同じ「はなさんのポリログ」での記事、ネット社会を再び考えるでは、いつの間にか「モーニング娘。」そのものに関してよりもそれによる「炎上」の方に比重が置かれていた。


このことから考えるに、「はなさんのポリログ」は別に何かことさら娘。について言いたいことがないのだな、と判断した。


そもそも、日本語の表記上間違っていることを歌詞やコピーの上でやることは、「モーニング娘。」に始まったことではないから、それで論立てして何か言おうってのは安易と言わざるを得ない。そんな安易なこと書いたら「炎上」のタネつくってるようなもんですよ。


次に、「モーニング娘。の歌と踊りはヘタか」という問題だが、これは案外むずかしい問題ではある。
「マンガの絵の上手い/下手」に通じるむずかしさがある。
少なくとも言えるのは、モーニング娘。は、それまでのおおかたのアイドルよりは、歌と踊りは上手い。


ただし、散発的にだが歌も踊りも上手いアイドルは、モーニング娘。以前にもいた。


そもそもサブ・カルチャーの「上手い/下手」は、かつてのメインカルチャーの基準とはまったく違うので、ポップスの上手い/下手を語るときにはその基準をはっきりさせなくてはいけない。
それはなかなかむずかしいことなんだよね。


ただ、まったくの勘で書くと、海外ではアイドルでさえ、日本のアイドル全般よりも歌や踊りが「上手い」、「上手くなければならない」とすれば、それは欧米では「幼形成熟」的なものを根源的に嫌う傾向があるからではないかと思う。
すなわち、年齢は若くても歌や踊りのアベレージは最低限保たれていなければいけない、という要請が日本以上に、大人側からあるのではないかということ。
パンクなんかと違って、「(サブ・カルチャーとはいえ)「大人基準でのレベル保持が強く要請される」ということがあるかもしれん。


で、なんでそうなるかというと、繰り返しになるけど欧米では「幼形成熟」的なものが嫌われていて子供と大人しかない。若者は大人の階段をのぼる、過程の存在でしかない、ということがあるだろう。


「幼いものを幼いまま、青臭いものを青臭いまま愛でる」っていうのは、やはり日本のオタク文化全般の方が強いと思うのでね。
逆に言えば、そのことこそがかつてはオタク批判の理由になっていたわけだし。
電車男」も、大人の階段のぼろうとするからこそ、一般人に受け入れられたのでね。


というややうがったことを書いてみたが、もとの批判が雑駁すぎたのでわざわざ書かなくてもいいような気もしてきた。