「総合バラエティ」について

色々とお笑いは細分化されているけど、“総合テレビバラエティ化”というのはもうちょっと見直されてもいい科目だと思いました。
昨日の風はどんなのだっけ?

私が「総合テレビバラエティ」って流行らないのかな、と最初に感じたのは、「ワンナイ」の人気が出てからもけっきょくゴールデンには行かなかったこと。内情はよくわからないけど、「ゴリエレンジャー」というヒーローパロディものをスペシャルでやったってことは、子供も観る時間帯にワンナイをやる芽もあったんじゃないか、と勝手に考えているんですが。


おっさんの自分にとっては、「ゴールデンの総合バラエティをだれが取るか?」っていうのが、90年代半ば当たりまでのもっともわかりやすいお笑い戦国地図の表れだったんですが、「ワンナイ」のゴールデン昇格なしで、自分の中ではその時代は終わりました。
(1時間番組で何コマかコーナーが入ってる構成の番組、という意味では「明石家マンション物語」とかも好きだったんですけどね。)


もちろん、よく考えてみればテレビは「ASAYAN」、「電波少年」、「ガチンコ!」という流れから一種のフェイクドキュメンタリー全盛となり、そのフェイクドキュメンタリーの流れを「利用する」かたちで、片岡飛鳥演出の「めちゃイケ」のように「ドキュメンタリーと見せかけて実はキャンプ」というアクロバティックなことが可能になったということがあるとは思うんですけどね。


けっきょく、ネタ番組のブームが去った後は「黄金伝説」みたいな番組で生き残れるかどうかが芸人サバイバルになってきてますしね。


じゃあ「ゴールデンの総合バラエティはなぜ主流ではなくなったのか?」って考えると、
まあ「『お茶の間』の消失」とか「笑いの輪切り現象」みたいなつまんない結論しか、今のところ思い浮かばないんですけども。

「とんねるず」のかつての生放送での強さ

http://d.hatena.ne.jp/toronei/20060924/B


やっぱり、ハートが強かったというのはあるでしょう。
バックボーンは何もない人たちだったしね。
今でも忘れられないのは、「お笑いスター誕生」で10週勝ち抜くか勝ち抜かないかというときに、とんねるずは「ぜったい勝ち抜きます!!」って言っちゃうんですよ。それで負けるとものすごい悔しそうだった。
まあ80年代の慣例なら、こういうときは「がんばります!!」とか謙虚になるのが普通だったと思うんだけどね。


スタッフ受け、楽屋落ちを無理矢理視聴者に定着させた張本人でもある彼らだけども、それはこびへつらうっていうより何かもっと複雑なものがあった気がする。
視聴者側には「業界幻想」を植え付けて、スタッフ間には「おれらだって仲間なんだ!!」っていう感覚を植え付けようとしていたというかね。
もちろん内情は知りませんが。
東京で、お笑いで、80年代で、師匠とかいなくて根無し草だったら、ホームとかアウェイとか存在しませんからね。
たぶん80年代のとんねるずにとっては(そりゃーやりやすいやりにくいはあったでしょうが)、ホーム/アウェイっていう意識は無かったんじゃないかと思います。


あんまり参考にならないけど、当ブログ過去記事。
突発的にとんねるずについて思う(2004/11/28)