(メモ)サブカルチャーと子供文化

確かに子供文化と「大人の文化」を切り分ける、ケジメを付けることは重要だが、
ある時期までの「大人文化圏」が「子供文化だ」と言って手をつけなかった分野にまで手を付け、大人文化に引き入れたものが結果的にサブカルチャーになっているものも数多い、ということを忘れてはいけない。


たとえば、出典は忘れたが山川健一のエッセイで、「若い頃ロックを聴いていたやつもいつかはジャズを聴くようになる、と言われたが、トシをとった今でも自分はロックを聴いている」という一文があった。
この文章の背後にあるのは「ロック=コドモ文化、ジャズ=オトナ文化」ということであって、さらに言えばロック好きが徹底的にロックにこだわり続けることによって、ロックをオトナ文化の範疇のものとした、ということだ。

核家族と終身雇用

「戦後、核家族化した人の孤独を社会が保証したのが終身雇用制」とか書いてあるのを読んだけど、これはどっかズレてる。


戦後日本は、資本主義的な制度と社会主義的な制度の折衷で来た、ということと、
戦後しばらくはパイ全体が広がっていたということが頭に入っていない。
「終身雇用制」というのは、競争社会の保証、保険として儲けられた日本の制度で、パイが拡大し続けることを前提とした制度ではあったが、とりあえず「生活の基盤」を支えるクッションとして存在していた。
それは別に核家族化した人の寂しさを補完するためにできた制度ではない。


むしろ、高度経済成長、高度経済成長を支えるものとしての終身雇用制、それらが一体となって核家族化を促進させた。


だから終身雇用制と核家族化には、直接的な因果関係があるわけではない。


転勤の繰り返しや単身赴任など、終身雇用制が核家族化を促進したということこそあれ、
核家族化の保証が終身雇用制だなんて聞いたことがない。