堂本兄弟につんく

見逃したー。「しりとり王」も見逃しました。しりとり王好きなんだけどなー。
やっぱり、作詞家としてのつんくは素直にスゴイ、というかどんどんすごくなってた頂点が、かつての娘。の頂点であった気がする。
「ラーメン大好き小池さん」の頃は、まだ「また〜飛び道具だして〜」って印象しかなかった。でも、その後ハイパー化した。


ブッ飛んだ歌詞を書く人としては、阿久悠大槻ケンヂがいる。阿久悠は、壊れちゃってるときも天才的で、伊集院光のラジオでも言ってましたが沢田研二の「Oh! ギャル」とかもうムチャクチャ。
大槻ケンヂは、「インド!」とか「ゾンビ!」とか「バカボン!」とか、キャッチーな言葉を持ってきて「何だ!?」と思わせるんだけど、それはけっこう素直な比喩になっている。
バカなことを通じて、実はそれがかえってせつない表現だったんだ、ということを聞いていく者にわからせる(つんくの「小池さん」も、その手法)。


だけど「恋愛レボリューション21」あたりになると、完全に歌詞として解体しかかる(「LOVEマシーン」のハジケ具合の方が記憶されてると思うけど、個人的には「恋レボ」の方が好きなんです)。
その解体しかかるギリギリのところで、歌詞として成立させる(同系統の名作は「ミニモニ。じゃんけんぴょん!」)。


たぶん、つんくって阿久悠みたいな歌詞が書きたい、でもそこまでの才能がない、でもやりたいからやっちゃう、という心の中の「ジャンプ」があると思う。
板垣恵介の唱える「不自然主義」みたいな。
わざとムリをする。


秋元康も、ヘンな歌詞はたくさん書いているけど、それはあくまで自分のフレーズがどう影響するかを計算している。「アニメじゃない」とか「象さんのすきゃんてぃ」とか、要するに「狙っている」し、それがうまく受け手にも届いてくる。
だけどつんくって、ボールを投げた時点でそれがバッターに届いたときにどう変化するかがわからないままで投げてる。
まぁそれが面白いっちゃ面白い。
J-POP聞きまくっているわけじゃないけど、作詞家としての「面白さ」は90年代から現在までのメジャーシーンではつんくがダントツじゃないかなあ。