ライブドアとオウム

同じように、このライブドア事件をきっかけとして、このところようやく日本社会で盛り上がってきた世代交代への熱意は急速に冷める可能性がある。学生起業や個人投資は虚構で、手堅いのは大企業就職だ、といった保守的なメンタリティが力を強める可能性がある。
渦状言論(ライブドアとオウム?2)


こちらでライブドアとオウムの類似点があげられていたのだけど、私はこの事件きっかけで学生起業が影響を受ける、っていうことはそうないだろうと思っている。
むしろ、ホリエモンとはまったく違った「信用しやすいキャラクター」が創出され、「ホリエに比べるとずいぶん信用できそうな若者だ」みたいなやつが出て来るんじゃないかと思う。それくらいの脳ミソは、みんなあるだろう。
(もう「ウチはあそことは違います」的な営業トークとか簡単に浮かびそうだもん。)
ライブドアも、深い事情は知らないけどおじさんが社長になったじゃない。まあああするしかないだろうね。


それとやっぱり、東浩紀はたぶん六大学から東大クラスの若者にしか興味がないんだろうな、と思う。
だいたい企業に就職できない若者が多いってのが問題で、「大企業に就職しようか、それともベンチャーか」って考える余裕があるのって東大早慶上智レベルの学生でしょ。
その偏差値以下、あるいは大学にすら入れない若者が今回の事件をどう受け止めているかということも問題だと思うんだよね。人数的にはそういう人たちの方が圧倒的に多いんだし。
まあ「何も関係ない」と思ってる、というのが私の予想ですけどね。


オウムと比べると、オウムってエリート集団とか言われたけど、偏差値の高くない人もいっぱい入信してたでしょう。だから影響は大きいと思う。
ホリエの言うことは株に興味があるか、よほど知識がないと理解できないですよ。私も何言ってるかサッパリわからなかったもん。私が事件の影響の大きさとしてオウムよりもずっとライブドアショックを低く見ているのは、そういう点からです。


どれほどの言葉をホリエが残したか、で比較してみればわかるよ。オウムは無数のジャーゴンをつくり出して、それが今でも人々の記憶に残ってしまっているが、ホリエの「想定の範囲内」なんてフツウの言葉でしょ。そういうのは思想として残らないと思う。一般人に対しても。
ただ、広く薄く絶望は蔓延すると思うけどね。そして「AKIRA」とか「TOKYO TRIBE」みたいな世界がやってくるんだ。もう最悪。


ところで、オウムを持ち上げると勘違いされると非常に困るので言っておくと、麻原なんてタダメシ食わしているだけで気分が悪いので今すぐ死刑にしてください。おわり。


それにしても、TBSのお昼の山田五郎は情けなさすぎるよ。ライブドア新社長就任の記者会見を見て「やっと大人が出てきた気がする」とか言っていたけど、またこのおじさんがちゃんと社長業をやるかどうかなんてわからないし、ライブドアスーフリリクルートの類似品として片づけて終えてしまう程度のヒトじゃないでしょう。


うんちく王」がゴールデンタイムに特番として放送されたとき、山田五郎だけはこの特番に出演しなかった。
後に深夜で1回「うんちく王」をやったときに「『ゴールデン向きじゃない』って言われたから出られなかった」と言っていたけど、まさかそれへのルサンチマンでお昼の番組に出始めたわけじゃないだろうな(もしそうだったら、むしろ納得するんだが)。