「チョコがもらえないから憎い」ということを越えろ

OLの7割「なくなって」 バレンタインデー調査


どの程度信憑性あるデータかというのはあるけど、会社社会だとこんな感じだろうな、とは思う。
小中学生まで含めると変わってくるんだろうけどね。


バレンタインデーの歴史は面白いんですよ。記憶だけで書いてるけど。
私が高校生くらい、20年前までは、確か義理チョコってなかった気がしますよ。
なんかもっとガチなイベントだった気がする。


で、私の記憶だと、「義理チョコ」って、義理でチョコを渡す、という意味ではなくて、
どっかのお菓子メーカーがでっかく「義理」って書かれた冗談チョコを売り出して、
それがテレビで話題になってからだと思う。
(あるいは、私の知らない間に「義理チョコ」が習慣化して、それでこの商品が出たとも考えられるが、テレビでその「義理チョコ」が報道されたとき、「義理ならいらねえよ」みたいなニュアンスもあったから、私個人は根拠なく、「冗談商品が先」説を今のところとっている。)


それ以前、小学生の頃に担任の先生がみんなにチョコをくれたことはあったが、そのときに「義理チョコ」という言葉はなかった。


で、「ホワイトデー」ができて、最初はマシュマロかキャンディーか下着を送る、ということだったと思う。
何か混乱が見られた記憶がある。


そして十数年経って、「友チョコ」とかいう、友達同士でチョコを送る習慣があるらしい、とかこれまたテレビ情報で見て、こうなると「女→男」に送るという意味は消失する。


一方で、最近のバレンタインデー関係のドラマとかマンガなどでよく目にするのは「お返し。」
女の子から、高価な贈り物欲しさにチョコを送る、というギャグというか何というか。
男性側から女性側に、高価な贈り物をする習慣は昔からあったとは言え、
あげる瞬間に「お返しちょうだいね、お返し」というのを、数年前からバラエティ番組とかちょっとしたニュース番組の女子アナの会話とかで何度も聞いた。


まあ、簡単に言うと、最初にチョコレート会社が仕掛けたか、「ホワイトデー」は下着会社が仕掛けたか知らないが、あまりにも見事なまでにお年玉、お歳暮・お中元などの「日本的習慣」に落ち着いてしまった印象である。


「海外から何かを輸入するとすべてはグダグダになっていく」というテーマは、確か芥川龍之介か何かが日本に来た宣教師の話として書いていた気がするけど、
少なくとも「愛の告白のためにチョコレートを送る」というのは偽ではあったかもしれないが海外的習慣っぽくて、
それがどんどんどんどんグダグダになっていった過程に現在のバレンタインデーがある。


これで、会社で「虚礼廃止」の一環でバレンタインデーが無くなったりしたら苦笑しつつずっこけますけどね。


あ、それと、「クリスマスプレゼント」なんだけど、
最近は「サンタさんが実在し、子供にあげる」というふうに、親御さんが仕掛けてくれるらしい。
これもいつ頃からなんだろう?


以前、YMO高橋ユキヒロが、「クリスマスプレゼントとして親に買ってもらったおもちゃを、クリスマス前に開けてしまって壊してしまった」というエピソードを語っていたが、ということは、高橋ユキヒロの頃には、親がわざわざ「サンタはいる」ということは言っていなかったということである。


私が子供の頃、30年くらい前も「クリスマスプレゼント」という慣習はあったが、本気でサンタクロースを信じている子供は小学校1年くらいでもいなかった記憶がある。


これって何なのだろうか。お年玉の場合、「親に感謝の念を抱かせる」という意味があるんじゃないかと思うが、
サンタクロースの場合はわざわざサンタという第三者(コレがホントの「善意の第三者」←ざぶとん1億枚!!)を捏造して現世利益をもたらしているという点、日本の古来からの慣習とはちょっと結びつかない気がするのだが。


やっぱりいろんな意味で「神は死んだ」から、どこかでみんな超越的なものを求めているのであろうか。