「PINK」千原兄弟(1998)

ツタヤの半額セールでビデオを借りる。
ライブの収録なので純粋には「テレビお笑い」とは言えないのだが、この辺はダウンタウン以来の微妙さなのでカテゴリに関しては勘弁していただきたい。
なお、ライブをビデオやDVDとして構成しなおした結果に関して、私は異常なまでに厳しいのでその辺はご了承ください。


で、本作。
コントの合間合間に、実際のライブとはおそらく無関係なおとぎばなしを入れたのは、予算はかかっていなさそうですがこういう構成のビデオとしては、まずセンスいい方だと思います。


実際のコントなんですが、
最初の「コーラ反対運動のおばはんが区役所にプラカード持って抗議に行く」やつと「28歳、同居しているOL二人の会話」に多少のドラマ性は感じましたが、
それ以外は、ボケが単発なんですね、どれも。
単発のボケを、ものすごくうまいシチュエーションでくるんでいる。


この間のルミネの「ピンまつり」で、千原ジュニアのピン芸を初めて見て、並列したボケをブリッジを使わずに羅列する巧さに感心してしまったんですが、どうやらあれは彼のフィールドというか、いちばん得意なことなのかもしれません。


もちろん面白いし、見に行っていたとしたら確実に満足していたでしょうが、ただこういう演劇に足を踏み入れた構成というのは、あまり知られていない劇団でもすごいところがあったりしますので、私の評価は微妙なところです。


自分が半可通なのを承知で書きますが、おそらく吉本系の「お笑い」に80年代の小劇団ブームから連なる笑いを取り入れたのって「ごっつ」のダウンタウンじゃないかと思うんですが(違ってたらゴメン)、
それの正統後継者という感じはします。


ただ、そうなると勝負は劇団系の人たちとのことになるんですが、
この辺のことはむずかしいんで私もよくわかりません。