R-1ぐらんぷり〜2/19

M-1よりも自由度が高すぎて、感想が書きにくいんですよねえ。
準決勝までの経緯を知らないので、テレビバラエティとして書いてみます。


友近
一人コント。「新体操」
事前に「やりたいことを自由にやりすぎ」という意見をネットで散見していて、審査員のダンカンもそう言っていたけど、
番組全体を通してみると、私もそう言わざるをえません。
ネタ的にはものすごく好きですが。
去年は女芸人としては青木さやかより若干知名度が低かったからこそ、「やりたいことをやる」でも良かったと思うんですよ。だから去年「ソーセージ販売員」をやったことは、私は今でも支持してます。
が、1年経って、この番組に出ることによってどうこうというレベルのタレントではなくなっているんだから、
番組の面白さを高める意味でも、ここはやる気を見せるべきだったでしょう。


ただし、番組全体の競技性がM-1などと比較するときわめてあいまい、という点が、今回の友近みたいな雰囲気を許す空気になっていたということもあるんでしょうね。


バカリズム
トツギーノ
紙芝居のような、何とも言えない感じ。
私はこれ、かなりすごいと思いますが、番組全体の雰囲気にそぐわない気はしました。
これを決勝に上げるなら、キャプテン☆ボンバーのようなバラエティ要員を上げるのはナシでしょう。


中山功太
「DJモンブラン OL編」
私が予想していたよりも点数が低かったのが残念です。
DJモンブランは、シリーズで見ると面白い部分もあるので、1年通してネタ番組でやる機会があって、中山功太という芸人を審査員が認知していればもうちょっと点数いったと思います。まあ言ってもしかたのないことですけど。


キャプテン☆ボンバー
アメリカのすごいところ」
なかやまきんに君は好きですが、正直これはないでしょう(笑)。これは出す方がまず悪い。
ネタ的にも、「いちゃいちゃしてるカップルはホラー映画で最初に殺される」なんて、いまどき少年ジャンプの読者投稿欄でもないですよ。「あるあるネタ」だったらきっちりあるあるにすべきでしょう。


あべこうじ
とてもうまいと思うし、生で見たときには感心しましたが、シュミとして実は好きな方ではないです。
「達者だな」という以上の印象を、テレビでは感じられないんですよねえ。
ただし、高得点が入ったのは納得です。


浅越ゴエ
「しっくりこないニュース」
ダンカンの指摘どおり、意外性に欠けたのが敗因なんでしょうね。舞台で普通にやるなら何の問題もないですが、競技として考えたときにどこかに飛び道具を入れた方がよかったんでしょうねえ。


岸学
「イジメをうける先生」
ダークホース扱いで準決勝に上がった感じです。面白かったですが、たぶん同レベルの人が準決勝には何人もいただろうな、というのが想像できてしまう。
体型が似てるからそう思った訳じゃないけど、立ち位置的には今年のM-1タイムマシーン3号を連想しました。


博多華丸
ほぼ文句ないです。ルミネで見たのとはぜんぜん構成を変えてきてましたし、形式としては同じことを毎回やっても毎回ウケるというタイプのネタですが、勝負をかけてきた印象があります。
が、自分でも意外なほど博多弁が出てきたときに違和感がありました。「研究家」のキャラは守り通した方がよかったかも。


総評
昨年も思ったんですが、漫才に比べると自由度が高すぎて、評価がむずかしい「ピン芸」というくくりを、バラエティ色を強くしてごまかしている印象です。
たとえば「トツギーノ」とあべこうじだったら、決勝まで行ったらぜったいあべこうじの方が点が入りますよ。
点数を付ける際、「しゃべりの達者さ」とかを最終的に見るしかないですから。
「笑えるかどうかだけで審査する」と言っていましたが、準決勝まではそれでよくても、優勝者を決める場合はどうしてもそうはならないですよね。
DJモンブランが不利なのもその点にあると思います。


もうネタが出そろった段階で、「ふだん以上の実力を出すことによってまさかの優勝」とか、そういうのがないですよね。R-1というのは。だから競技色をもっとガチにしたらいいかというと、そうとも言えないと思います。
じゃあ他に方法はあるのかというと、ちょっとわからない。
ただ番組全体としてもうちょっと面白くできるだろ、と思ってしまうんですよね。
とりあえず、いくら何でもキャプテン☆ボンバーはナシでしょう。
ああいう勢い系だったら、認知度の低い人の方がその場での瞬発力も出ると思いますしね。


優勝者に関しては、文句なしです。
ちょっと自分が友近を買いかぶりすぎていたのというのと(笑)、博多華丸が明確に勝負に出たのがわかったんで。
私、あべこうじは次もあるかもしれないけど、博多華丸に関しては同じ児玉清では今回逃したら次はないと思っていたんですよ。
だから、取れるときに取ったな、という印象です。