映像温泉芸社inシネマボカン15〜3/11

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自主映画の上映イベントです。


宇宙からのメッセージ2006
『ドラクル・ジュピトリア監督特集』
於:BARガリガリ
濱田轟天氏プロデュース。
DJ(ドラクル・ジュピトリア)監督作品『幻想貴族』他全三作一挙上映。


行く前はどんな映画かまったくわからなかった(バカ映画であるということだけは事前情報としてわかった)。
もしかして、だれかが何か「耽美キャラ」を演じてつくるのかな?とも思ったが、
実際、本当にそういう自主映画作家がいた!


そして想像以上のすごいものでした。
すごいっていうのは、本人はバカ映画のつもりでつくってないのに衝撃的に笑えてしまうというもので、
同時に上映された伊勢田監督の聖ジェルノンと近いテイストといえばわかっていただけるでしょうか。


ラクル・ジュピトリア(略称DJ)監督ご本人も来ていましたが、
「バカ映画としてとらえられてどうですか?」と質問されて、ワイングラス片手に
「受け取り方は人それぞれだから……」
と言ったのはかっこいいと思いましたよ。


あと、トークで司会の方が、
「自主映画を撮っている者は、自分の居場所を探し、さらにその中で自分の椅子を探すというのが普通。しかし、たまに自分の椅子を持参してやってくる作風の人がいる。それが今回」
と言っていて、うまい表現だなと思いました。


いろいろと考えさせられること多し、でした。


それと、これは伊勢田監督とか木持アート出版にも言えることですが、
「ヘタ」とか「ヘタウマ」というのとは違うと思うんですよね。
ラクル・ジュピトリア監督の映像には要所要所で「ホントにいい画」がありまして、
それが作品全体のメリハリになっているんですよね。


それと、伊勢田勝行監督の作品ですが、
「聖ジェルノン ハーケンカッツェ」というのを見ました。
この人がすごいのは、「便宜上」やっていることがすべて、現代美術の人が狙いすましてやっているようなことに結果的になってることで、
ご本人は純粋エンターテインメントをつくっているつもりでしょうが、
本当にアート的な領域に踏み込んじゃってるんですよ。


たとえば、ファンタジー世界の住人がエネルギーを使いすぎて猫になってしまった、というシーンを海辺で撮って、
それはその海辺にしかいないただの野良猫なんですよ。たぶん。
で、シーンが大学の構内にうつると、もうその猫使えないじゃないですか。


そうしたら、大学の構内かなんかにいる猫とバトンタッチさせるため、わざわざ、
猫→別の猫
という変身シーンを入れるんですよ!


あと、お話をつなげるためにばんばん止め絵が入るんですよ。
まあ、マンガ的手法というか絵コンテを忠実にやるとそうなるだろうというか……。
これまたたとえば実写版「ハニー」では「ハニメーション」っていう写真をコママンガみたいに写す方法をやってましたが、
あれの100万倍はご都合主義で、そして異様な効果が得られるんですよね。


というわけで、いろいろとあらためて圧倒された次第です。