R-1ぐらんぷり

優勝は、ご存知のとおりなだぎ武


こういうことは滅多にしないんだが、テレビを観て個人的に順位を付けてみた。


芋洗坂係長
あべこうじ
鳥居みゆき
なだぎ武
世界のナベアツ
中山功太
COWCOW山田よし
土肥ポン太


R-1ぐらんぷりM-1に比べてガチ度が低い気がするし、なおかつ採点基準がどこにあるのかわかりにくい大会だ。
だから、これは私個人の基準なんだけど、


・話芸のレベル
インパク
・汎用性があるかどうか、何度も観ることに耐えられるか


以上のことを基準に考えてみた。


以下、各自印象(本当の順位)。

なだぎ武
うーん、これ「文化祭の出し物を決める」という設定じゃなくてもできますよね?
実際、「レッドカーペット」の方ではサラリーマンみたいなおっさんがやってるという設定でやってたし。
だから一人芝居にもなってないし、最近のテレビにおける短いネタブームでもできる、1分、2分でできるネタを「文化祭の出し物を決める」という構成にしてやったというふうにしか思えないんですよねえ。
ポテンシャルとしては優勝に異義はないんだけど、なんかこれでいいのかなあという感じはしました。


芋洗坂係長
初見のインパクトということを差し引いても、かなりよくできていると思いました。
「宴会でのつまらないおっさん芸」という体裁をとりながら、たぶんメタ的視点を持たない年配のお客さんも笑わせることができると思います。
その点、汎用性が高い。
彼が元テンションだって知ってから観ちゃうのは一種のネタバレで、芝居系というか役者がやっているという意味での完成度がありました。どうもそれを隠したがっているフシがあるように感じられたけど、やっぱり「芝居系」の芸ですよね。


世界のナベアツ
これはやはり4分近くやるネタじゃないな、というのが正直な感想。
確かに最近、旋風を巻き起こしている印象はあるし、今後もやっていくでしょうが、どうしてもバリエーションが原型の「3の倍数」を越えられないというのが難点。
「3の倍数」の完成度の高さを考えると、やはり1、2分パパッとやるネタなんだなと再認識してしまいました。


中山功太
ネタ自体は面白かったし、練習もすごくしている印象だったがガッチガチに緊張しているように見えた。この人は、年に数回テレビで観る程度だけれど、それを観るかぎり演技力があまりないのが気になるんですよね……。どこかで観たネズミ講の説明会のネタの方が好きかなあ。
こういうフリップを多用するパターンだと、どうしても個人的にネゴシックスが頭に浮かんでしまうので……。


あべこうじ
「純粋な漫談で通した」という点では、私は評価高いんですけどね。「鼻毛」一本で通したというのもチャレンジだと思ったし。
早口になりすぎるのは、この間のM-1のときにも何組かのコンビに感じたことで、制限時間にネタを詰め込みすぎるからなんだろう。そうならないようにするためには、番組側で何らかの改善が必要なのではないかと思う。
月亭八方のコメントが厳しいのにがっかりした。たまに観る八方の漫談はすごく面白いんだけど、この人は落語以外の話芸の評価はできないのでは? と思えてしまうことがある。
その大きな理由は、20年くらい前に「いいとも」でまったく空気が読めず、なじめず、「八方ちゃんとなじもう」というコーナーまでできてしまったことに起因する私の印象です。


鳥居みゆき
緊張していたように思えたなあ。「ガキの使い」の新年会のときにも緊張しているように観えましたが。
この人も、厳しい目で見ればつながりのない短いネタを「マサコ」というキャラクターを通してつなげているだけではあるんだが、ただ「ギリギリ」と見せかけておいて、実は余裕でセーフなネタを持ってくるあたりにクレバーさを感じ、どうしてもひいきしてしまう。この人のやってることは、ぜったいテレビに出られないようなことをやっている地下芸人に対する挑戦だとすら感じるんですよ。まあいわゆる地下芸人も好きですが……。
ただ、本気で「地下」をきわめるのではなく、いつかはメジャーになりたいと思っている人なら、この人は参考にしても損はないと思いますよ。


土肥ポン太
面白いとは思いましたが、昨年とまったくパターンが同じだったからなあ……。これが「毎週勝ち抜き」とかだったらそれでもいいんですが、1年越しとなると観る人の目は厳しくなると思います。


COWCOW山田よし
ネタの意外性は非常によく考えられてますが、このキャラクターでそういくつもバリエーションがないのではないか? という意味ではテレビ的ではないと思いました。劇場では鉄板なのかもしれないんですが。
かといって最下位になるほどつまらないかというとそんなことはないんですが……。個人的には土肥ポン太と同じくらいの感じかなあ、と。


総評:
完全なる一人芝居の人がいなかったのがちょっと寂しかった。
逆に、「短いネタをつなげてる」という印象が強いものが多かった。考えてみれば何年か前に優勝した「ほっしゃん。」もそうだったんだけど、あのときはまだ自分はよくわかっていなかった。
バカリズムは入ってほしかった。


まあ、そんくらいですかね。感想は。