「R-1ぐらんぷり2005」

今回が3回目だそうだけど、全国放送は初めて。でもゴールデンは狙えないんだね……その点についていろいろ考えてしまいましたよ。
まあ、考えたからってどうっしようもないんですけどね。
以下感想。


長州小力
最近、ちょこちょこものまね部分だけは見ていて、「シブスタ」においてさんざんやってたお笑いオーディションにも出てましたね。
で、こういう一芸的な人って本当にそれだけ、って人も好きなんだけど、最初の漫談が意外に面白くて。すごく高評価になったわ自分の中で。
「腹を割って話してるのに『正直言って……』って言われるとキレる」とかね、フレーズ的に面白い。
ただ、まあ優勝はしないだろうとは思うし、こういう言い方はいいのかわかんないけどこういうタイプの人ってぜったい必要だと思うんですよね。
「お笑いスタ誕」における、10週通らない中での「変わり種組」に近い存在です。当時のコロッケとかね。


ネゴシックス
変な封筒を次々と出していくというネタ。
ただ羅列しているように見えて、前半部の「不幸の手紙」→「復興の手紙」がポイントになってるんですね。しかも、そこは「実際に変わった封筒をつくってくる」というネタじゃないんだよね。
ネゴシックスは、前から本人は面白い顔をしていて、押し出しもあるのに紙芝居ネタに近い工作ネタをやるので、その意外性がすごく面白いなあと思ってたんですが、その辺じゅうぶん発揮されてて良かったです。


あべこうじ
初見。最近流行りの、「ブリッジ的なフレーズの合間に、ひと言フレーズを挟んでいく」という形式ではない、普通の漫談。テレビでは逆に新鮮でした。
かなりの実力の持ち主だとは思いますが、個人的にどうも……イマイチかなあと思ってしまった。「ウザいキャラ」のところでもっと笑いがとれればなぁ、などと思いました。


友近
「ソーセージ販売員」。2、3のネット感想を見ると、「なんでソーセージ……」とか「ネタセレクトをまたはずした」っていうところが多い、っていうかすべてそう書いてあったので「なんでぇ〜!?」と。少なくとも去年見た友近のネタで、コレがいちばん面白いと思ったんだけどなぁ。まあ、確かに改善の余地はあったと思うけど……(ソーセージで写真立てなどをつくる、というのは完全にネゴシックスとかぶってたし、彼の方が上だし)。
私は、何をどうやっても現時点では友近はこうなると思います。よくも悪くも。


・ヒロシ
ヒロシです……」ではなく「どうすればモテますか」というネタ。テレビ初披露だったらしい。
ヒロシ生き残り策としては、こういう大事な局面で新しいフレーズを使うというのは断然アリだと思いますね。
こういうワンパターンの芸風は、変えるとしたら認知されやすいところでやるしかないですから。
現時点で、テレビに出てる芸人である程度認知されていて、それで今後がいちばん不鮮明ってヒロシだと思うので、「じゃあヒロシを生き残らせる方法は?」と言ったら、ネタ披露の部分では「ヒロシです……」と似て非なるフレーズで他の地点に軟着陸させるしかないと思います。
ただ、何度も噛んでいたから、それは未消化という点で責められてしかるべきでしょうけど。


ほっしゃん。
バーで、女(女装してる演者)がマスターに向かって怒る。その怒りが、「ロールキャベツ→オールキャベツと間違えられる」、「ジンジャーエール」→「神社を応援している」、などのフレーズの解釈の羅列になっていくという形式。
「それほど面白くない、ベタだ」っていう意見も読んで、後から考えると確かにそうなんだけど、出演者の中で空気感ぜんぜん違ってましたよ。うわついたところがぜんっぜんないし、悪慣れしている感じでもなかったし。「ランナーズ・ハイに近い状態になってた」ってのは本当じゃないですかね。
関東のテレビ知名度としてはほとんど知られてないに等しい人だと思うんですが(私もネタは初見)、それでも始まって数分で空気掴みましたもん。
こういうのは見ている間に面白がらせれば完璧勝ちでしょう。後で「よく考えたらつまんないな」と思われようが何だろうが。
オチは、ひっぱりすぎだとは私も思います。


中山功太
初見。「三十過ぎて働きもせず、パチンコや麻雀ばかりやっていて親に食わしてもらっている男が居酒屋で放言」というところに、DJ(たぶん本人の声)が次々にツッコミを入れてくるというネタ。
うーん、この人の違う形式のものをあと2、3本見ないとわからないですね。
でも、何とも言えないムカつく感じが良かったというか、こういうタイプのムカつきさ加減を持っているというのはポテンシャルあると思います。
ネタの形式なんですが、これは個人的なシュミの問題かもしれないけど「ニートが言いそうなセリフ」を言って、指摘するだけではダメで、そういう風刺的な部分を超えなければならないと思います。そういう意味では「鳥インフルゼンザは関係ない」というフレーズがそっち方面へ脱却しそうでしたが、全体通してしそうでしないんですよね。
そういうところが残念でした。


井上マー
尾崎豊風に、尾崎風のフレーズを言っていく」というネタ。
今回思ったんですが、この人の演技力というか、このネタの消化具合は思ったよりすごいなと。ぜんぶ一度見たフレーズでしたが、引き込まれました。思いつきだけじゃないと感じましたね。


(総評)
優勝ほっしゃん。はかなり納得しましたね。自信満々にやってて、掴む力が他の人と違ってたと思います。
2位以下は、順位そのものはまあどうでもいいと言ってはナンだけど、優勝以外は賞金ももらえないみたいだし言ってもしょうがないかなと。同率2位でいいじゃないかと書いてしまってはダメかな。
友近の「ソーセージ販売員」は、ネタとしては間違っていなかったと思いたい。練り込みはあれでよかったのかという疑問はありますけど。


たぶん、文句が出るとしたら決勝の前の段階でだれが落とされたか、ということになるけど、どんな組み合わせになってもだれかが不満になるんだからこれでいいと思います。