松本ハードル問題

http://d.hatena.ne.jp/TheMan/20051126/radio


これはTheManさんに対して文句を言っているのでは決してなくて、お笑いやスポーツなどの「生モノ」系の批評に必ずついて回る問題なのでちょっと書いておきたいです。
流れ上、どうしても「全盛期だった頃の松本」を話題にせざるを得なくなり、当然その空気感はその当時を知っている者の共通了解があります。逆に言うと、後からはわからない部分もある。
私も、正直漫才やってた頃のダウンタウンって知りませんし、
当然、関西で人気が出始めた頃のダウンタウンも知りません。
それを知ったふうに書くことはできませんが、それでも、どっかで自分の立場から「体験していない過去」にアプローチする手段はあると思うんですよ(それは「知らない」ということから出発する部分も含めて)。


そうでないと、「経験していない者は発言できない」ということになり、「生モノの批評は、常に自分が経験したことを立脚点にするしかない」ということになり、そうすると歴史性が断絶してしまうことを私は恐れています。


たとえば現状の松本に対する、かつてのファンの怒りを理解するには「現状のテレビのギャグの半分くらいは、ダウンタウンとそのブレーン以降のものになっている」という事実がとっかかりになるのではないかと思います。
たぶん吉本に一定の層の、似た志向を持つ構成作家とかがいるからだと思いますが、それを代表するのがダウンタウンだと言ってイイと思う。それ以前に、あるいは同時代に他にだれかいたとしても、彼ら(とくに松本)がそれを代表していると思います。
松本っていうのは、それだけのオリジネイターだったということです。


そして、そのオリジネイターのビッグマウスがあったということですよね。


ま、私は立場的にはここに書いたように、TheManさんに近いわけですが。もっと暖かい目で見てやろうよ的な。
でも他の人の怒る気持ちもわからんではない、ということです。