「サークルS」 ザ・プラン9(2004)
- 出版社/メーカー: よしもとミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2004/02/25
- メディア: DVD
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カテゴリーとしては、「テレビお笑い」か「お笑い」かで悩んだ。ザ・プラン9はテレビ向けのグループなのか? というと現時点で私にはちょっとそう言いきれない部分があり、かといって吉本がライブ中心の活動を許しているのか、それでペイするのかもわからないし。
内容は、最初から語ってしまうだけでネタバレになってしまうのでしない。
よくできた芝居だった。あ、そうそう、この「サークルS」は、ショートコントの積み重ねとかそういうのではなくて、純然たる「お芝居」なのである。
プラン9について考えさせられるところは多い。
というのは、小劇場系劇団ブーム下の笑い(劇団「健康」とか、えーと宮沢章夫のやってたやつとか)、は、80年代には東京の、なおかつアンダーグラウンドな笑いだったにも関わらず、
それがいつの間にか、それほど違和感がないくらいにメジャー化してきている事実を見るからである。
(関西にも80年代に小劇団はあったろうが、お笑い界と直接のパイプはなかったのではないかと思うし。)
何度か書いているが、調べもせずに予想すると、ダウンタウンのスタッフに演劇畑の人間が混ざっていて、そのあたりからなのだと思う(「ごっつええ感じ」のディレクターは、確か役者経験もある舞台畑の人)。
他にも「劇団系」、「芝居系」でテレビに進出したと言えば他にも東京ヴォードビルショーとかSETとかワハハ本舗とか、いろいろあるが、いちばん目立っていたのは当然彼らが劇団に所属していたわけではないが、ダウンタウン(のやっていたコント)ではないかと思う。
で、プラン9の出身者を見ると、みんなNSC出身で、とくべつどこかから引き抜いてきたわけでもないらしい。
これは、すごい時代の変化だと思った。
プラン9の立ち位置自体は現在、微妙なのではないかと思うが、とにかく吉本ほどの大資本でこのレベルの芝居をやられてしまっては、他の劇団は立つ瀬がないんじゃないかと思えてきてしまう。
しかも、一人ひとりがピンでも芸ができる存在であり、
劇団の中から面白いやつらだけをスピンアウトさせたのとも違うし、
全員でやったらやったできちんとしたものができるというのは、恐ろしいことである。
「サークルS」というお芝居自体は、「テレビによく出るお笑い芸人」というくくりで見ると非常に斬新。
脚本も好きです。
いわゆる「小劇場系の劇団」の芝居、と見なすなら、まずますこれくらいやるところはけっこうあるとは思う。
そういうふうに、評価軸のポイントで評価が容易に変わりうる、というのも興味深い。