めかび

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0606/02/news057.html

このインタビューを読んで思うこと(もちろん、新雑誌を立ち上げるにあたってブチ上げている部分はあることは斟酌したうえで)。


「趣味」はどうしても教養主義にならざるを得ない。ここでの「教養主義」ってどういうことかというと「知っているやつほど偉い」というほどの意味として使う。
しかし、これはどんなジャンルでも宿命。それを、何かカウンター的な思考(それが「萌え」であれ何であれ)でもってどうにかできるものではないのではないか。


もう少しだけ話を広げて「熟練者ほど偉い」ということを考えてみる。そうすると、シュミの世界では面白くないこともある。「なんで遊びの世界にまでヒエラルキーができるんだ」ということになるから。
しかし、それは個々のジャンルにおいてシステム的に解決さるべき問題なのではないか。
たとえば囲碁・将棋で段位や級を決めて、同じ実力を持った者同士で対戦できるようにするとか。
あるいはミニ四駆マンガのように、熟練者の楽しみと初心者の感動を同列に扱うとか。


何か、根本的にひっくり返せるものでもないような気がする。


何度も書いているが、オタク論は大衆論。
昔は貴族とか金持ちとかインテリがやっていたシュミを、中流家庭人や貧乏人や、東大クラスではない人たちでも楽しめるようになった。
あるいは楽しむ人数が増えた。
そうしたときに、もっと楽しくするにはどうしたらいいか、人数が増えたこと、いろんな人間が参入してきたことで得たもの、失ったものは何か、を考えるべきだと思う。
オタク内不平等を是正するひとつのかたちが「萌え」ならば、それはそれでいい。


ただ、「萌え」が人間の価値観を根本的に変えるとか、そういうことはないと思う(まあ、たぶんそれは知っていてやっているんだろうとは思うが)。