かめだ6 ガッツ、やくVSかめだ父

http://www.nikkansports.com/battle/kameda/p-bt-tp1-20060808-72380.html

青春時代やから別にええやろ。まじめに過ごすのもええけど、悪いことしても世間に迷惑かけなければええ。人間、おとなしくなった時は引退の時。情けをもろうたら引退や。オレが引退さすよ。嫌われているうちが華や。この人のやってることは子供のやること。この人が手本になっとるのか! あとでオモテでろや


ちなみにテレビ見てません。Youtubeも見てない。かめだ批判としては、やくみつると勝谷なんとかさんと、いろいろといますが、「礼儀を知らないから気にくわない(から批判する)」っていう論法は、浅いと思う。
それよりも「パフォーマンスなら何をやっても許されるのか」という方が問題で、それはやく・勝谷にもそのまま返って来ちゃう問題なんだよね。
だからやくさんに関してはどうでもいいです。
というか、やくみつるって独自の道徳観念・倫理観を持っている人だと昔から思っていて、誤解を恐れずに言えばマンガ家、しかもテレビに出まくっているギャグマンガ家って一種のピエロですよ? それがどうしてああいう正論めいたことを平気で言うのかわからない(まあ、コスプレしてきたのは彼なりのユーモアだったんでしょうが)。

以前、新庄だったかサッカー選手だったか、「髪を茶色に染めているのが気にくわない」ってやくみつるが言い出して、司会者に「やくさんも染めてるじゃないですか」って言われたら、
「それとこれとは別」
って、大まじめに言っていたので私はあきれました。デーブ・スペクターの方がまだしも茶目っ気がありますよ。


まあやく話はこれくらいにして。
出たね、「悪いことしても世間に迷惑かけなければいい」発言。
世間に迷惑かけるのが「悪いこと」だっつーの!! というどうしようもないツッコミはともかくとして、この「他人に迷惑をかけなければ何をやってもいい」という風潮になってきたことが、戦後の教育の節目にはなっているでしょうね。
「他人に迷惑をかけるな」というのは、芸能人が「親に言われた言葉」の常套句なんだけども、ある時期までは、
「お天道様に顔向けできないようなことはするな」というのが決まり文句だった。


前者は「迷惑をかけない」んだから消極的な戒めなんですよ。「お天道様に顔向けできるかどうか」は、それ自体が倫理観だから、積極的戒めなんです。
どこかの段階で、積極的戒めが消極的戒めに変わったんだよね。
まあ俗論的には個人主義が蔓延したからだろうけど。


(何が言いたいかというと、41歳の、全共闘世代よりもオタク第一世代よりも若い、戦後の個人主義の影響を無意識に受けているかめだのオヤジが、戦前の頑固オヤジとそのファミリーのようなふるまいをしているのが、私にとってはとても変に映る、ということ。)


で、「かめだ父子が厚顔無恥」って批判している人々も、実は個人主義の恩恵をこうむっているということも確かなんだよな。
だってテレビであーだこーだ言う人なんて、世間一般のコミュニティからはずれてきた人ばかりだからね。
そういう文脈ではかめだ父の「この人が手本になっとるのか!」というのは半分は正しい。


それと、
>>情けをもろうたら引退や。


これが、かめだ陣営がパフォーマンスをわかってないことの象徴的な言葉。
国民感情としては「羨み」とか「妬み」、「反感」から一歩踏み出した多少複雑な感情だと思う。「情け」というのは。
そこに初めて、「かめだ」という選手が本当に受け入れられるかどうかというキモがある。
そうでないと、本当にただの色物で終わってしまいますよ。
ジムの偉い人とかもそういう方針なんかね?


とにかく、だれかかめだ陣営にはいい放送作家とかブレーンを付けることを望みますよ。
そうするとウォッチング的には面白くなくなるだろうけど、
近来これほど八方破れでむちゃくちゃなパフォーマンスって見たことないよ。
やっさんがいちばんムチャクチャだった頃に近い。
でもやっさんには助言してくれる人がぜったいいたでしょ。
かめだには、たぶんだれもいないと思うんだ。