これからウソを書きます

今日、家にいて地鳴りみたいな音がしたと思って、外に出てみたら、なんか電気工事の人たちが使う消防車のような車(名称・および用途は知らない)が、ガタガタ音を立てていました。


それで、ハシゴみたいのの上に作業員が乗っていて、電柱の上部にある機械をいじっていた。


「何やっているんですか?」と聞くと、そのハシゴ車の周りにいて通る人を誘導していた作業員の一人が、
「電柱の機械を取り替えているんです。今日中には終わりますよ。」と言った。
「そうですか」と言って立ち去ろうとしてよく見ると、ハシゴ車のてっぺんに登っている人は機械いじりをすでにやめており、シャボン玉を飛ばしていた。


「機械はどうしたんですか。もう作業は終わったんですか」
私は不審だったので聞いてみると、通行人を誘導していた男の態度が一変、
「うるさい! 本当は、3メートルくらいの高さでどのくらいシャボン玉が飛ぶかの実験なんだ。危ないから下がってろ」
「シャボン玉の実験なら、何もあんなに車をガタガタ振動させなくてもいじゃないですか」


「あれは……カムフラージュだ」


なんだかさっぱりわからない。他の作業員(4、5人いた)を見回すと、2人は地べたに座り込んでトランプをやっている。あとの一人は立ちション、もう一人は地面に落ちた渋柿を、思いっきり近所の家の塀にぶつけて遊んでいる。


仕方ないので近所の交番からお巡りさんを呼んできた。
ちなみに、この人は50歳くらいのはずだが70歳くらいに見えるヒョロッとした人で、甚だ頼りない。


しかし、警官とともに戻ってみると、連中も、ハシゴ車も跡形もなく消えていた。
そして、置き手紙が小石で止めてあった。
そこにはこう書いてあった。


「CDのケースって、よく踏んで割るよね〜」