リアクション芸人は若手不在か

せっかく彼らが「汚れ」「リアクション」という、テレビ芸人のもうひとつの 王道を切り拓いたにもかかわらず、誰もついてくる奴がいない。 正直もったいないと思う。
Waste of Pops 80s-90s 11/20


いやいることはいるんじゃないですか? 山崎邦正とかが思い浮かぶ。ガレッジセールのゴリも、一種のリアクション芸人だという見方もできる。
吉本の若手だって(ダウンタウンですら)通過儀礼的にリアクション芸というのはやらされているわけだし。
南キャンの山ちゃん、アンタッチャブルの山崎もよくそっち方面の仕事をしているしね。


個人的見解としては、テレビの芸人の「席」というか「枠」は決まっていて、とっくにそっちは飽和状態。
リアクション芸人も、まあダチョウ以下、現状の人たちがいればいいかなと。
「リアクション芸人」って、正確に言えば「リアクションを視聴者がメタ的に受け取れる芸人」のことだよね。
だからガチでやらされてる人、あるいはガチだと思わせるような演出でやっている人たちって、気づかれないまま「かわいそうだなあ〜」って視聴者に思われておしまい、「芸」だとは認識されないという部分があると思う。


だから、幽霊の話をするみたいだが若手のリアクション芸人は「いる」。だけど気づかれてない、とも言える。


もうひとつは、いちばんテレビに影響力を持っているであろう吉本の体質にもあるんじゃないか。
まあ吉本って大きい会社だからいろいろな人がいるとは思うけど、「滑り芸」は認められても「リアクション芸」はあの中で認められてないんじゃないか、という感じがする。
「笑われるな、リアクションも芸なんだ」っていうところを強く打ち出してくるから、リアクション芸人であったとしてもそう受け取られていない可能性もある。たむけんとか、なかやまきんに君とか。


それと、第三に、「リアクション芸」は過激すぎるとテレビに出られない。
いつだったか、ロフトプラスワンで「手をあげて横断歩道を渡ろう」っていう企画で、本当に手を油であげてコロモ付けて渡る、っていう人がいたけど、すごすぎるけどぜったいにテレビに出られないもの(笑)。
だから実はテレビに出られないリアクション系の人ってたくさんいるんじゃないかとは思う。


第四に、ダチョウ、松村、出川ってやっぱりそっちら辺の「色」がある。リアクションにも。
たけし軍団は軍団で「色」がある。
リアクション芸って、リアクションしている人を見てリアクションする人がいなければならないという一種の集団パフォーマンスなので、その辺が吉本の「リアクション芸」だと思われる部分とどっか感じが違う。
だから、たとえお笑いウルトラに吉本芸人が多数入ったとしても、色として違うものになるんじゃないか。


で、そういう事務所の縦のつながりで芸ができあがっていっていると考えた場合、ダチョウ、松村、出川といった張本人がわざと若手を育成していない、という可能性はじゅうぶんすぎるほどあると思うし、
それはちっとも悪いことだとは思わない。


だって自分の仕事がなくなっちゃうもの。
私だったら若手の育成なんてぜったいしない(笑)。