M-1グランプリ個別感想

もう感想書かずに寝ようと思ったけど、「なにみんな実況とかやっちゃってんの?」みたいなテキストを読んじゃってテンション落ちまくって、
明日になったらぜったい書かないと思うから今書きます。
なおネタのタイトルに関しては勝手に付けました。


POISON GIRL BAND
「靴とかズボンを買う。」
一番手で会場が暖まっていなかったというのもあるが、何となく二人から緊張が伝わってきたような……。
「マグロを履く」ってところで大笑いしたんだけどね。これは一番手でなくても決勝進出はキツかったかも。
以前にも書いたけど、M-1は「熱意」がストレートに笑いに変換されるところを審査員に買われる部分が強くて、POISON GIRL BANDのようなダウナー系……でもないんだけど立ち話みたいなテンションの漫才はそれだけで不利なんだよな。


フットボールアワー
「ヒーローになりたい。」
岩尾のボケがスカされる冒頭は面白かったし、貫禄も感じるんだけどいかんせんこのネタ、テレビで何度も見過ぎたなあ……。
それでも決勝ですごいことやってくれると期待していたから、この段階では許した。


ザ・プラン9
「心の中の天使と悪魔。」
緊張してたとみた。だっていつもの方がもっと面白いもん。「未来人」なんて、ふだんの方が爆笑取れてるしさあ……。
なんか、結果的ににぎやかしみたいな扱いになっちゃって観ていてちょっと悔しかった。


麒麟
「ボクシング」
当てぶりネタ。落ち着いてたし良かったです。M-1常連組の面目躍如と言ったところ。


トータルテンボス
「ラーメン屋をレポートするグルメレポーター」
実は初めて告白しますが、そんなに好きなコンビじゃないんです。だけど、ものすごい熱意が伝わってきて大笑いした。
「味の段ボール箱やー!」がツボに入ってしまって……。「しれっとベタなことを言う」というのは個人的に好きだし、また残して欲しいと思ったし。
ただ他の相手がすごすぎた。その差がどうしたら埋まるかは、私はプロじゃないのでわからん。


チュートリアル
「冷蔵庫を買う。」
確か「笑っていいとも!増刊号」でついこの間観たネタをやっていたので驚いた。でも面白いんだよな。
チュートリアルの場合、「徳井の変態度」というのが半ば本当のこととして演技されるところが面白いからコントに近いと思うんだけど、その変態的なテンションを(少なくとも私が観たかぎりでは)必ずキッチリ上げてくる、というのはすごい。それが同じことをやっても毎回迫力を感じさせる、彼らの強みなんだろう。


変ホ長調
「セレブ婚がしたい。」
順番がどうやって決められているのかはわからないけど、完全にチュートと笑い飯の間の冷却タイムみたいな扱いになってしまっていてちょっとかわいそうだった。
紳助も松本もこういうの嫌いなんでしょ!! あーもうわかったよ。
今回、番組全体の「ぶっとび役」というか、少々とっぱずれて会場を湧かす、という役割を立ち話的漫才のこのコンビが担ったというのも解せない話。とにかく私は全面的に支持する。


笑い飯
「箸の持ち方を子供に教える絵本。」
序盤、確かに笑いは少なかったけどあれは「感心系」とも言うべき芸でしょう。箸の持ち方を延々と説明するというのは。発想がものすごく面白い。
新作落語的でもある。ライブで観たら、感心して帰るたぐいのネタ。こういうのもM-1では受けにくい。
後半のダブルボケも、予想可能なだけにキツいよなあ。


ライセンス(敗者復活)
「大人のドラえもん。」
いやーこれは私、ネタ的にどうかと思う。最初の名刺交換するところと「渋谷系のマネ」というのは面白かったけど、後はありきたりだなあ……。
ライセンスは二人とも男前だし、ちょっとしたバラエティの司会とかもとても上手いので売れる要素はいくらもあると思うんだけど、漫才に関しては「本当にこの人たちはこれをやりたくてやってるのかな?」っていう疑問が湧くような印象を受けることがすごく多い。
いや好きは好きなんだけどね。ナルシストでない程度の男前、って感じで。


・決勝
麒麟
「探検隊になりたい。」
後半グチャグチャになってしまったと思う。具体的には田村の通訳をやるとかなんとかいうところで、田村が二役やるところで観ていて集中力がそがれた。リラックスして時間制限がないところでやった方がいいネタではないかと思う。


フットボールアワー
「居酒屋の店員になる。」
ところどころ改変されてたけど、このネタもう何回も観たよ! 「取り皿」の繰り返しも飽きてしまって……初見だったとしても、近年のM-1の傾向として「後半尻上がりにさせるために、絶叫するなどしてテンションを上げる」というのはもう読めてしまうのでやめた方がいいと思う。
昨年の麒麟やいつぞやの品川庄司もそのパターンだったし……。かといって他に後半までテンションを維持できる方法があるかと問われたら、私にはワカリマセン。
しかしこの段階で、何となくチュートリアルの優勝は確信したなあ。


チュートリアル
「チリンチリン」
「つまらないことをひたすら大げさに言う」というのは私の大好きなパターンなので、それだけで大満足でした。落ち着いてもいたしね。


ということで、優勝には納得です。


「全体的に今回は低調」という意見を早くもネット上でチラホラ見ますが、実は私もそう思いました。
でも、それは出場した漫才師のせいではなくて、「だれを決勝にあげたか」ということと、あと審査員をだれにするかという問題もあると思います。
とりあえず関東系だというだけで南原はもういらないです。頭数揃えるなら、もうちょと誠実に関東の人間を選んで欲しい。小朝のスケジュールが埋まっているなら、昇太だっていいじゃないですか。