M-1〜ガチとエンターテインメントの間で〜

サンドウィッチマンの優勝により、準決勝までの審査員と敗者復活戦とのあまりの食い違いがちょこちょこネット上でも話題になっていますが、
「漫才コント風ではない、かけあい漫才をもっと重視した方がいいのではないか?」とか「ダウンタウンの影響とはちょっと違う方向性のコンビを上げた方がいいのではないか?」といった意見には承服できますが、


あまりにも審査基準を厳密にすることも、私はどうかと思っています。


「どうせ正統派しか優勝の評価対象にしかならないのだから、それ以外の変り種コンビを入れても仕方が無い」という意見は数年前からあちこちで聞かれます。


が、厳密すぎる審査は、やはり出る側の意識を縛ってしまい面白さは半減すると思います。
「何が公正か」は、答えが簡単に出ない問題ですよ。「正統派しか認めない」のもどうかと思うし、「変り種ばかりを評価する」というのもそうだし。


昨年の「変ホ長調」などもそうですが、ああいう変り種の存在は番組のアクセントとしてはぜったい必要です。そんなに激しく変り種というわけではないですが、「千鳥」だってそう。
「正統派を決勝にあげる」ということと、「バラエティに富んだ決勝進出者にする」ということは明らかに矛盾するし、
私は後者の方が好きです。


ここでの危険性というのは、「変り種コンビ」がかませ犬……というと表現がちょっと違うのか、要するに、あきらかに優勝の芽がないのに都合のいいように使いまわされるということですが、
「お笑い」って優勝だけがすべてじゃないでしょ?


一等だけが最高なんだったら、お笑いなんて私は最初から観てないですよ。


その視点を失ってはならない、と自分は自分に言い聞かせております。