「時代劇映画の思想 ノスタルジーのゆくえ」 筒井清志(2000、PHP新書)

時代劇映画の歴史について、コンパクトにまとめた本。何となく日本人のヒーロー像みたいなものが知りたくなって読んだのだが、時代劇映画は歌舞伎からの延長で「悪」を主人公にしたものが多いとか、1925年以降、何度か映画化されている「大菩薩峠」のニヒル・ヒーロー、机龍之助の系譜が戦後も「眠狂四郎」まで続いており、ここまでのニヒル・ヒーロー大衆支持は世界でも類例がないということなど、なかなか勉強になった。


ヒル・ヒーローというのは、その後も個人的見解では「木枯し紋次郎」や「ゴルゴ13」につながっていくものだと思うが、果たしてそれが「ミナミの帝王」まで続いているものなのかどうかということに興味がある。時代劇とは関係ないけど。


それにしても、ネット上で信頼のおける新書レビューのサイトがなかなか見つからない。
知っている人はぜひ教えてください。