病気

私はいつも事実を面白おかしく書くようにつとめてはいるが、現在進行形のことはあまり書かないことにしている。
自体が悪化したら日記そのものが悲惨なものにならざるを得ないからだ。
しかし、どうにもこうにも痛くて痛くて苛立たしいので書かずにはいられない。


火曜日の祝日の日から、左耳の裏側部分に激痛が走った。頭をぶつけたコブのような痛みだったが、耳の後ろ部分というのが不気味だ。そこは「頭」ではない。まったく原因がわからない。
最初は1日ガマンして医者に行こうと思ったが、昼を過ぎたあたりでガマンができなくなり、救急病院へ行く。


救急には当直で外科の先生しかいなかった。「皮膚科の領域か?」、「耳鼻科か?」ということすら判断に時間がかかった。おたふくかぜや虫歯などの原因まで問われたが、原因はわからないまま。
この日は痛み止めをもらっただけで、家に帰る。
痛み止めによって痛みはおさまったが、それは単に麻酔的な意味合いにすぎないのだろう。


悶々として翌日同じ病院の耳鼻科へ。
病院で待たされる時間というのは、症状が原因不明だと実に長く感じる。
やっと自分の番が来て、診てもらうが、この時点でも原因が完全に突き止められたわけではなかった。
ただし、「どうやら耳鼻科系の痛みだろう」ということくらいまではわかった。


耳はまったく痛くないのだが、耳の内蔵機能みたいなところが炎症を起こしていると。
痛み止めと炎症を抑える薬をもらって帰ってきて服用しているが、とにかく薬が切れると激痛が走るという状況。現時点でちっとも直った気がしない。


私のジンクスとして、病気の途中経過を書くとロクな結果にならない、治りが遅いということがあるのだが、あまりの原因不明さ、痛さ、理不尽さについてこうして書いている。


それにしても、インフォームド・コンセントの普及の結果なのかどうか、医者も「これはこうです」ときっぱり断言してくれればいくらか安心もするのだが、「きちんと説明するわりには原因がわからない」ということが最近は多い。こういうのはかえってストレスがたまる。


また、そのお医者さんたちがたいてい私よりも年下の人間になってしまったため、彼らを「人間」として見てしまい、彼らがどう考え、どう説明してどうおさめようとしているのかの一連の流れがこちらに見えてしまうというのも辛い。
子供の頃は医者は絶対的な存在だったが、今の私からすると、普通のサラリーマンが仕事を処理するのと同じ思考を巡らしている人間にすぎない。
「だいじょうぶですよ」という同じ口調であっさりと「ダメですよ」と言いそうで恐い。


医者が安心させようとして言ってくる冗談も、「もしかして若者特有の、自分がただ面白いと思っているだけの投げっぱなしジョークなのでは?」と疑心暗鬼にかられてしまう。