バラエティが芸風を徹底させない点について

http://d.hatena.ne.jp/toronei/20050414/L
どうも〜。
「しゃべると残念な人」で思ったのは、何というのか、女性の「媚び」自体がフィクションじゃないですか。
それはもう、男女双方でわかっていると思うんですよ。


しかし、それ自体がテレビでは許されなくなっているのではないかという、そりゃあんまりだという、まあ私の泣き言だったんですけどね。
佐藤寛子的キャラはテレビのどこにも持っていきようがない、という点で。
いいじゃないですか男に媚びを売ったってと。
もうね、「いいとも」にグラビアアイドルが出てきたときの客の冷たさ、レギュラーの井上和香が身体を露出しないファッションでわざわざ出て来るという気の遣い方、そういうのを見るたびに死にたくなるんです(苦笑)。


バラエティ一般について話を展開させると、けっこうむずかしいです。
というのは、80年代のザ・マンザイとか「お笑いスタ誕」以降のテレビそのものが、段階的にどんどん「キャラを解体させていく」みたいな方向に行っている印象があるからです。


たとえば、たけしも最初は相当な異端児として扱われていたと思いますが、やっぱりどこかお茶目な部分を出して、「みんなのたけちゃん」的なものは出していたし。
さんまのトーク術も、基本的には「テレビで行われていることを、『これはテレビなんだ』と視聴者に了解させつつ、自分が場をコントロールしていく」ということだと思うんで。
それは「番組」という形式の解体だったと思います。さんまの場合は、解体して自分流に構築してしまうんですけども。


それのエスカレートしたのが現在だと思うんですよね。


で、めちゃイケはたまにしか見ないけど、その辺つくっている方だと思うんですよ。いい方向で。
佐藤寛子が「寿司を大口開けて食べられない」シーンは軽く興奮しましたし(笑)。


前も書いたけど、めちゃイケってテレビの現状を2回転くらいしていると思う。
要するに、基本的にテレビっていうのは臨場感、「テレビで起きているのは本当のことであるとする」とするのをすごく望むんだと思うんですよ。
ドラマとアニメ以外はぜんぶドキュメンタリー(セミドキュメンタリー)と言っていいくらいで。
「バラエティ」っていう呼称は、「それはウソじゃねえか」っていう視聴者の批判をかわすためのネーミングなのではないかと思えるくらいで。


そんな中で、めちゃイケがした選択というのは、コント部分を切り離すんじゃなくて、バラエティの中に溶け込ませてしまえということで。いやそれは他の番組でもやってますが、ウソっぽくなるギリギリのところまでやってる。それが今風だなあと思います。
元気が出るテレビ」と比較すると、こっちは「勇気を出してはじめての告白」みたいな、ホントかウソかわからないコーナーもあったけど、「大仏魂」とか「半魚人」なんて200パーセントウソですよね。
そんな「ウソ演出」が通用しなくなったことへ「めちゃイケ」は(とくに「岡女」ですけどね、私の場合)抵抗しているように思えるんですよね。


ただ、その形式に出演者が当てはまっていかないとバラエティとして成立しないから、その辺が「芸人に愛がない」と思う人は当然出てくるとは思います。


「本当は腰の低い人」云々のようないじり方に関しては、昔もあったんですよ。
元気が出るテレビ」の松方弘樹は、ひとつのポイントでしょうね。
映画俳優っていうと、ちょっとまだみんなが引いて見る感覚が残っていましたから。


ただ、今は「実はいい人」みたいなフリのサイクルが、非常に早い。
レイザーラモン住谷なんて、あと1年くらいは「本当にハードゲイ」で引っ張っていいくらいですよ。
あと、パペマペに今さら「覆面取って」っていうフリもイヤですねえ。


「うたばん」で、お笑いじゃないけど「犬神サーカス団」が化粧して変わっていくところをずっとカメラでおさえているというのがあったけど、心底驚いたし。っていうか、本人たちはそれでいいのかどうかわからないけど、見ていて痛々しかった。


テレビバラエティってもの自体が、「徹底してつくり込んだキャラ」を嫌うんですよね。
それか、逆によほどの異端でないと。細木数子とか。
デーモン小暮はデビュー当時突っ込まれまくってましたけど、ぜんぶ丁寧にかわして現在がありますので。
タモリに「それは化粧でしょ?」って聞かれて、
「蝶の鱗粉のようなものだ」って返したのはさすがに大学出てるなあと思った記憶があります。


叶姉妹も、今でも逃げきってますね。っていうか、本当におかしな人たちなのかもしれないけど(笑)。


故・ナンシー関が、「つぶやきシローは、ネタをやっているときとトークしているときの差がはっきりしていないのがネックだ」って言っていましたが、それははずれてなかったと思う。
演技かホントかわからないから、いじり辛いというかからみづらかったのではないかと。
今は、「一度消えた芸人」っていうキャラがはっきりしてますから、以前よりずっと何とかなると思うんですけどね。もっと出て欲しい。


……などと、まとまらないまま終わります。