「おたく」と「オタク」の表記

http://d.hatena.ne.jp/a666666/20050805/1123213400


もともとは「おたく」、「お宅」が先だったような。
だって、主婦が「お宅はどうざます?」みたいに言うのを青年がマネしている奇妙さ、が指摘されたわけで。それが80年代半ばの話。


書籍で言えば、
別冊宝島おたくの本」が1989年。
宅八郎の「イカす! おたく天国」が1991年。
浅羽通明「天使の王国−『おたく』の倫理のために」も1991年。
おたくに批判的な内容である中島梓の「コミニュケーション不全症候群」が出たのも1991年。
どうもこの本では「おタク」となってたらしいが確認できず。
荷宮和子「おたく少女の経済学」が1995年。


「オタク」というカタカナ表記を意識的に使ったのはオタキング岡田斗司夫氏だと思う。
氏の「オタク学入門」が出たのが1996年。
オタクアミーゴス!」が出たのが1997年。


「オタク」という表記がいくらかでもポジティブに使われるようになったのは、「オタク学入門」が出た96年以降です(それまで「おたく」、「お宅」、「オタク」とさまざまな表記がありましたが、ネガティブ、ポジティブ両面のニュアンスがあり、ネガティブな面の方が圧倒的に大きかった)。


大塚英志氏の「『おたく』の精神史」が2004年。
しかし、ここで「おたく」という95年以前に使われた表記が使われているのは、「世界に冠たるオタク文化がどーでこーで」という昨今の展開に作者が反発を感じているためにやった意図的なこと。まあこの人は「おたく」はミヤザキ事件前から「おたく」で通してますけどね。


もっとも、96年から9年近く経ってますから、若い世代で「おたく」と「オタク」を別の意味で使い分けていたりしたらもうわかりませんけど。
ただ、表記の流れ的には以上のようなものだったと思います。