オバQその2

オバQで印象的なのは、事故の決定的瞬間などのスクープ写真を撮ろうと言い出した正ちゃんとQちゃんが競い合うという話。
最初におにいさんのしんちゃんが、「人の不幸を喜ぶようなマネはやめろ」って叱るんですね。でも正ちゃんは「写真を撮ろうが撮るまいが、壊れる自動車は壊れるし沈む船は沈む」というようなことを言って切り返します。


カメラを持った正ちゃんとQちゃんは、事故現場の決定的瞬間をおさえようと奔走しますが、Qちゃんはついついその状況にはまりこんで、火事から人を救い出したりなんだり、いろいろします。
そのかわり、写真がぜんぜん撮れません。

で、正ちゃんが「ボクの勝ちだな」と言っていると、数々の救助にあたったQちゃんが表彰されてけっきょく売名目的だった正ちゃんより有名になってしまう……という話でした。
今でも、このマンガについてときどき思い出すことがあります。


あと、新オバQだったか忘れましたが(アニメでは「新オバQ」だったと思います)、ものすごく気の小さい少年を鍛え直す、とかオバQが言い出して、ガクラン着てバット持ってスパルタ教育をしようとする。だけれども肝心の教師役のQちゃんがヘマばかりやって、最後に気の小さいダメ少年が、
「あんなにマヌケなQちゃんが平気なんだから自分も勇気が出た」みたいなことを言ってめでたしめでたし、ってのもありました。
あれも好きだった。


さらにもうひとつ、正ちゃんのおにいさんのしんちゃんが好きな女の子がいて、その子がQちゃんばかり慕う。
なんでかというと、Qちゃんがあまりにも無邪気で何も考えてない話題を出してくるからで、かわいい少女に何話すかというと、
「くじらのおならって何メートルあるかしら。」


……まあどうでもいいかな、こんなこと。でもSFマンガ家としての評価が高い藤子不二雄の、もうひとつの重要な側面がオバQにはある気がします。