「チラシの裏」って言葉は使いたくはないが

あちこち書き散らかして観にくいとは思いますが、まあいろいろありまして。
こちらに書いてあることとドンピシャなテキストをたまたま読んでしまったので思ったことを。


マンガでも映画でもいいが、それに関してのレビューを書く際、他分野のことを知らないでそれに開き直るのはあまりみっともいいものではない。
本当、それが言いたかったんだよね。


たとえば映画「図鑑に載ってない虫」は、私も必ずしも大傑作だとは思っていないが、監督の三木聡が舞台の演出もしていて、非常に芝居寄りな演出がなされている、ということがわからなければ、大幅にそぎ落とされた理解しかできないのではないか。
キサラギ」もそうで、あれも芝居くさい映画だった。「芝居くさいからダメ」という批判は当然成り立つが、「芝居っぽい」ということすら知らないのはまずかろう。


映画評は映画マニアが書くことが多いから、過去の映画からの影響だの引用だのにはこと細かく言及するくせに、他の部分はまったく触れていない場合がある。
もちろん、無知なのはしょうがない。私もそういうことはものすごくしょっちゅうあるんだが、その評者が無意識のうちに自分のひいきのジャンルを持っていて、完全に色眼鏡で映画を観ているときなどは少し哀しくなる。


たとえば芸術っぽい映画が好きな人がSFや特撮についてまったく知らず、なおかつ知らないことに悪びれもしていなかったり、
その逆もある。SFや特撮についてむちゃくちゃ詳しいのに、それ以外のジャンルには冷淡だったりする。
しかも意識して書いているならいいが、本当に何も知らなかったりすると心底哀しくなる。実はそうならないことが各ジャンル内で「作法」というか立ち姿として定着していないのが、日本の現状と言えるかもしれんね。


と、ここまで書いたがそういう現象は永久になくならないだろうね。